皆さんこんにちは、小エビです。
今日は投資初心者の方が絶対に覚えておくべき用語を紹介します。覚えやすいようにいろいろ説明していきます!
本記事の対象者
・投資を始めたての人やこれから始めるか迷っている人
・投資をしているが決算書の読み方が全く分からない人
・テクニカル指標やチャートなどの情報で取引している人
株式投資をするにあたって
みなさんは投資の情報をどこから手に入れていますか?
有名な方のブログを読む、株式に関連する書籍を読む、投資の掲示板のコメントを見る…。この世にはいろいろな情報があふれています。
もちろん、有益な情報も多いのですが、一方で、難しい単語ばかりでわかりづらかったり、本やほかの人の受け売りで根拠がないものを発信してる媒体もたくさんあります。
本記事では、投資する株を判断する際に役に立つ、本当に基礎の基礎の指標についてお話していきます。
重要指標3選
EPS(一株当たり純利益)
EPS(Earnings Per Share)とは一株当たり純利益のことです。なぜこれが重要かというと、EPSを知ることで現在の株価が割安なのか割高なのかを簡単に判断することができるからです。
以下は2022年度の三菱UFJ FGの決算短信です。EPSは左下あたりに書いてありますね。一株あたり約90円という値です。以下のリンクからすべて読めます。
https://www.mufg.jp/dam/ir/fs/2021/pdf/summary2203_ja.pdf

PERというまた新しい単語が出てきましたね。この指標も重要なものとしてよく出てきます。PERは日本語だと株価収益率という用語であらわされ、企業の収益性を示す指標です。PERが低いほど、株価が収益に対して割安でいえますが、PERが極端に低い場合は、企業に対する市場の期待が低いか、潜在的な問題がある可能性があります。
※ちなみに、PERの基準としてはよく15という数字が使われます。これは、日本企業のPERの平均が大体これくらいになるからであって、これより低いと割安(いいものを安く買えるイメージですね)、これより高いと割高と一般的には言われています。(余談でこの15という数字についても考察しています)
それでは、簡単なEPSを使った株価が割高か割安かの診断をします。それは先ほどの式にPER=15を入れて出た株価が、現在の株価より安ければ割安、高ければ割高。という方法です。
それでは、例として先ほどの三菱UFJの値から計算してみましょう。
EPS(90)×PERの平均値(15)=1350
さて、現在の三菱UFJ FGの株価は約1250円なので、1350より低く、割安と言えます。
こんな感じでEPSさえわかれば、現在の株価が割安かどうかを簡単に判断することができます。もちろん、決算が出るまで正確なEPSはわかりませんし、現在の株価はいろいろなことを織り込んで(例えば、会社の株主還元が低かったり、現在は利益が出ていても将来的に下がることが予想されるなど)決まっているので一概に評価はできないですが、短時間で企業を評価できる指標なのでぜひ覚えていってください。

なるほど、EPSの高い企業を見ればいいんだね!

もちろん、EPSはいい指標だけど、単年のEPSだけを見て判断するのは危険だよ!
例えば固定資産売却などの特別利益が参入されていたりして、例年より高くなっていることなどがあるんだ!

固定資産、特別利益、難しい言葉がいっぱいだなぁ

最近の例だと電通の2021年の決算なんかが、本社ビルを売却した利益を計上して、前年から大きなV字回復をした、という事例があるね。でも、毎年本社ビルを売れるわけじゃないから、その年の利益だけでなく、過去の実績や来年の予想などを見る必要があるんだ!
BPS(一株当たり純資産)
さて、次はBPSです。一株当たり純資産と言われます。純資産ってなんぞやと思われるかもしれませんが、ざっくりいうと、企業の資産のうち、株主に帰属する分ということです。もっと雑に説明すると、もし明日企業が営業活動をやめて解散します、となったときに返ってくるお金ということになります。
つまり、この値が株価に近いほど、株主にとっては割安といえます。ここで、また三菱UFJの例を見てみましょう。

一株当たり純資産は1430円と、株価よりも高いという状態になっています。(もちろんそんなことはないですが)MUFGが明日解散するとなったら、株価以上のお金が返ってくるわけなので割安といえますね。
また、式が出てきますが、この式も基本中の基本なのでぜひ覚えていってください。
BPS(一株当たり純資産)×PBR(Price Book-value Ratio)=株価
今度はPBRという数値が出てきましたね。これも先ほどのPERと同じで、BPSと株価から求められる数値です。PBRが1よりも低い場合、株価が帳簿価額よりも安いと見なされ、割安であると考えられることがあります。PBRが1というのは、BPS(一株当たりの解散したら株主に戻ってくるお金)と株価(一株の値段)が一緒ということになるので、1より低い場合が割安(つまり解散価値のほうが高くなる)というのは分かりやすい考えではないでしょうか?
ちなみに、MUFGの例だと、
BPS(1430)×PBR=株価(1260)となり、PBRが1を割っていることが一目瞭然ですね。
ROE (Return on Equity)
はい、最後がROEです。日本語では自己資本利益率と言われます。
ROEは企業が株主の出資をもとに生み出した収益の効率を示す指標で、純利益を自己資本で割ったものです。高いROEは企業の収益性が高いことを示し、投資家から好まれることがあります。
さあ、自己資本だの難しい言葉が出てきましたが、いったんこの辺の説明は割愛して、簡単に説明すると、企業が投資家の投入した資本に対してどれほど効率よく利益を生み出しているかを表す指標です。一般的には10%以上が優良企業などと言われたりしますが、これは業種などによって基準は変わってくるので一つの目安にしてくさい。ちなみに、日本企業のROEは米国や欧州企業に比べるとやや低い傾向になります。
まあ、我々も一人の投資家なわけですから、自分たちが投資してる会社がその自分たちの投資を効率よく活用して利益出してるほうが、嬉しいよね、って話です。
知り合いの大手企業の経営者の方も、投資対象を見るときにROEを見てるって言ってました。それくらい重要な指標です。似た言葉にROA(総資本利益率)なんてことばもありますが、その辺は以下のサイトでもじっくり見てください。
ROEも先ほどの決算短信に載っています。6.5%ですね。先ほどの10%という基準からみると優良とは言えないかもしれません。とはいえ、業界ごとにROEの水準は違ったりしますので、ほかの会社と比較したり、ROEが伸びているかどうかに着目することもう重要ですよ!

おわりに
長々といろいろ説明しましたが、重要なことは、色々な指標を参考にしつつ、自分の投資の軸とすり合わせて考えることです。
例えば、この業界は伸びると思うけど、EPSがあまりにも低くて割高だからやめておこう。とか、この企業のサービスはここが魅力で、ROEも高いからしっかり効率よく資本を回せてそうだな、PERは高くて少し割高だけど、投資してみよう。とか
そんな感じで自分の軸を持ちながら毎度仮説を立てつつ投資するのがいいのではないでしょうか。
ではまた!

東京大学経済学部を卒業してサラリーマンをしています。投資歴は7年目くらい。
株式投資、FX、債券など資産運用について初心者でもわかりやすい情報を発信していきます。
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